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2005-05-08-Sun

_ [尼崎列車事故][NEWS] JR西社員に嫌がらせ続出

人間、やっていいことと悪いことがあると思うが、事故とは直接の関係がない従業員にまで罵声を浴びせたり暴力をふるうなどはもってのほか。

この手の嫌がらせをする連中は、今回の事故の被害者(親戚・友人などが亡くなった方々の意味)ではないことは容易に想像がつく。自分の私生活上でどういう不満を抱えているのか知らないけれど、西日本会社の従業員は弱い立場なんだから、それを「弱い者いじめ」で憂さを晴らすようなことは、絶対に許されるべきことではない。新聞はそういう馬鹿共も叩かなければ駄目でしょうに。

それにつけてもつくづく情けないなあ、と思うのは、日本はそういう「弱い者いじめ」をして喜んでいる連中がいる反面で、相手が強い態度に出るとすぐにヘイコラしてしまうこと。これは国民性なのだろうか。中国の言い分を認めていたら、この先50年経っても100年経ってもずっと言われ続けっぱなしでしょうよ。易きにつく妥協だけはしてはならないのである。

いや、妥協したけりゃ妥協しても構わない。が、その場合は、日本のとった態度が「韓信の股くぐり」であることを、故事来歴ひっくるめて全世界に喧伝することと、国内向けには「臥薪嘗胆」をスローガンにすること。最低限その程度のことができなければ本当にこの国は駄目になる。

…って、何の話だっけ?

_ やっと見つけた〜(疲)

尼崎列車脱線事故からこっち、ずーーーーーーーっと探し続けていて、やっとこさ見つけた。さんざん読んだから文章自体は頭に入っていたのだけれど、それが何の本に書いてあったのかすっかり忘れていて。歳かなあ。

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「だが、線路にピタリと沿う国道242号線が目障りだ。過疎地帯にこんな立派な道路をつくる必要があるのか、と腹立たしくなるほどの幅員と舗装である。腹立ちの主たる因は鉄道びいきによるのだけれど、ガラ空きの国道をつっ走る車の速いこと! 制限速度をどれだけオーバーしているのか知らぬが、100キロ以上を平気で出している。こちらも75キロで快調に走っているのに、鉄道をバカにしたように追い抜いていく。どうも、おもしろくない。鉄道は絶対に制限速度を越えた運転はしない。しかるに車は野放しだ。だから殺人を犯すのだ。」

〜宮脇俊三『日本探見二泊三日』(角川文庫 4-04-159807-9)「北海道ちほく高原鉄道・ふるさと銀河線」P216より

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宮脇作品の中では直接的な怒りを激烈な文章(宮脇作品の中では)で表現していて、こういうのはきわめて珍しい。日本人がクルマばかりを大切にし、鉄道をないがしろにしてきたことへの怒りが、こういう表現で噴き出したのだろう。

宮脇先生は、外国から「曲芸」とまで評された日本の精細緻密な鉄道ダイヤ(正確には「時刻表」だが)をたいへん愛されていた。鉄道の長所は他の交通機関には決して真似のできない定時大量輸送にあるのであって、外国と比べて条件の悪い中、その「曲芸」を守るために鉄道員達が払ってきた努力と犠牲は並々ならぬものであった。そして、それが鉄道に対する信頼と安心感につながっていたのだ。

しかるに、無理なダイヤ設定がもとで大事故を引き起こしたのだとすれば、これ以上の裏切り行為はないだろう。

先生がもしご存命であったなら、今回の事故への怒り悲しみはどれほどのものであったろうか。

_ 今日のカブ

45,414.0粁。


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