今日は面接があるんだから早く寝ればいいものを、突然「乗りてーっ!」と脳内COMTRACが暴走して、明け方まで時刻表と取っ組み合いをはじめてしまう。
ずいぶんモーローとしながらの作業だったから、後で見直したら接続列車を1本見間違えていたとか、ボロボロ穴は開いていたけれど、朝食後までかけて完成させた予定表はこんな感じ。
東京 発 12:28 あさま555号
長野 着 14:24
発 14:31 349M
直江津着 15:59
発 16:13 はくたか15号
越後湯沢着17:01
発 17:11 とき328号
東京 着 18:28
さてさて、どうなりますやら。
えーえーえーえー。
で、面接。
一応応募はしてみたものの、求人倍率はものすごいし*1、また、わかっちゃいたけどやっぱりお門違いの司法書士事務所とあっては受かる見込みは到底ないので、半分ぶん投げた。「ダメもと」とも言うが。
わずか17分で面接を終了し、あとはフリータイム。その足で高田馬場駅の「みどりの窓口」に行き、上記の阿房列車計画を差し出した。
なぜ実行日を今日にしたかと言うと、それはスーツを着てるから(笑)。カバンもビジネスバッグだし、誰がどこからどう見ても、有能なビジネスマンが仕事を抱えて飛び回っているとは考えても、単なる鉄ヲタが乗り潰しをしているとは思わないに違いない。まあ、私は決して鉄ヲタではないから、別にいいのだけれど。
ただ、こんな旅程を日帰りだから、スーツ姿でこんな切符を買うのは少し恥ずかしい気がしたけれど、窓口氏はこういう変な奴には慣れているのか顔には出さず、あっさりと「(区)東京都区内→高崎(経由:高崎・新幹線・長野・信越・犀潟・ほくほく・六日町)」と「高崎→(山)東京山手線内(経由:高崎・新幹線)」の連続乗車券を売ってくれた。どうやら単なる自意識過剰だったらしい。
本当はもう1時間くらい前の「あさま」に乗ってもよかったのだけれど、それだと直江津での接続が1分しかないので安全策をとったのだった。まあ、1分でも接続しないことはないはずなんだけどね。
というわけで、いよいよ「あさま555」号 に乗車だっ!
*1 募集1名に対して50人くらい応募があるらしい。
今回の作戦の目的を。
もちろん、そんなものは時刻表の巻頭地図を見ながらたどってもらえば一目瞭然、ただ長野新幹線と北越急行に乗ってみたかっただけなのである。
この2線を乗り回るには2通りある。長野新幹線を先にするか、北越急行を先にするか。どちらにも長所はあって、北越急行を先にするならば、越後湯沢を出発して六日町から上越線の軋を脱した途端に在来線最高速の160km/hで突っ走る、という演出が待っている。その逆では、つまらない。←頸城だけに。(ぉぃ)
しかし、あえて長野新幹線を先にしたのは、やはり長野新幹線は軽井沢までの急勾配を登ってこそ楽しいと思ったからだった。かつて「新幹線」の定義にはありえなかった30‰の連続急勾配。「あさま」にはそのための強力なモーターも積んでいる。もっとも、通の人になると、下り急勾配をいかにして降りるか、に興味を持つのかもしれない。
なお、話は前後するが、安中榛名を出てからは、トンネルの中でも明らかにそれとわかる急勾配ぶりで、通路を歩く人が歩きにくそうにしているのが、なんだかおかしかった。
さて、「あさま555」号である。この列車、名前だけは「Go!Go!Go!」と威勢がいいくせに、実は各駅停車である。長野まで1時間56分もかかるのである。まあ、そんなことはどうでもいい。
座席は「阿片窟」こと喫煙車の6号車7番A、進行方向右側の、3人掛けの窓側だった。トイレに行くには最も厄介な席である。まあ、そんなこともどうでもいい。
隣の座席には少し品も恰幅もよい老紳士が、通路側には苦み走った渋い男前のオジサマが座った。「袖すれあうも…」とはよく言ったもので、老紳士が「どちらまで?」と話しかけてきたのをきっかけに、オジサマが軽井沢、老紳士が佐久平で降りていくまでの間、3人で話が盛り上がる。老紳士は御年80歳、都内で会社を経営していて、耳こそ少しく遠いものの、まだまだお元気な方であった。オジサマは軽井沢の飲食店のオーナー兼マスターで、車内販売のワゴンを呼び止めては買ったビールをふるまってくれたりした。
細かくは記さないが、お2人とも年の功と言うか私が物を知らな過ぎると言うか、話がとても面白く、大変勉強になった。まさかこんな日記を読んでおられるはずもないが、この場でお礼を申し上げたい。私はもっぱら聞き役だったので景色は見られなかったが、そんなことももはやどうでもよかったのだった。
しかしなあ、最後に名刺を頂戴して、それで社長さんだとわかったのだけれど、なら就職のお願いでもしてみればよかったかしらん(笑)。さすがにスーツ姿で「乗り潰しです。」などと児戯に類することをやっているとは言えなかったからなあ。申し訳ありませんでした。
長野には定刻通り14:24に到着。これで長野新幹線 高崎〜長野間117.4キロを乗り終えた。長かった、ここまで来るのが。
が、そんな感慨を抱く間もなく、7分後に発車する直江津行き普通電車に乗り継ぐべく在来線ホームへと向かう。幸いなことにガラ空きだったので、4人掛けのボックス席を1人で占領する贅沢ができた。白地に水色とライトグリーンの帯を入れた新長野色の115系だが、とりたてて関心はない。
それにしても昼酒はよく回る。久しぶりに乗る区間だから何らかの感慨があってもよさそうなものだが、ほとんどの区間は寝てすごした。今日の長野はほとんど曇りで、妙高高原のあたりでは薄靄さえかかっていたから、眺めもあまりよくなかったこともある。
二本木では数少なくなったスイッチバックを体感するために目を覚ます。反対側のホームに停まっていた「妙高8号」は、横軽間廃止で行き場をなくした189系特急用車両を格下げした「デラックスな」普通列車だが、こちらにもとりたてて関心はない。
15:59、直江津着。
直江津に来たのも何年かぶりだが、今日はあいにくの曇り空で、夏だというのに日本海特有の陰欝な感じだけが印象に残った。私は昼酒のおかげでまだボーッとしているから、感度が少々鈍っていたのかもしれない。
そんな沈滞した空気を切り裂くかのように特急「はくたか」が入線してきた。JR西日本所属の681系電車*1だ。オフホワイトの地にミディアムグレーの窓廻り、ウェンズブルーのラインが流麗で、上品で美しい塗色だな、と思う。いやしくも日本海沿岸を縦貫する大幹線を相手に「掃き溜めに鶴」などと言っては直江津の人に怒られそうだが、まさに「掃き溜めに白鷹」が舞い降りたような感がある。
この「はくたか15号」は直江津を発車すると、次が終点の越後湯沢である。ほくほく線内はノンストップ、59.5キロを48分で駆け抜けるのだ*2。これは相当楽しいことになりそうだ、と思っていたら、北越名物「G-G現示」*3をすっかり見逃していたことに、越後湯沢で降りてから気がついた。_|‾|〇
それにしても、160km/h走行のできる高規格路線なのはいいが、全線の7割がトンネルだったとは。景色はほとんど見られないし、「耳ツン」がすごかった。気にしないためには、乗ると同時に寝てしまうのがいいのかもしれない。単なる移動手段と割り切って。
ありゃりゃ、「乗車券購入申込書」には思い切り「MAXとき328号」とか書いちゃって、越後湯沢の駅でも200系が入線してくるまであのデカいのが来るものだと思ってた。
車内はどういうわけだかサラリーマン風の男性ばかりでほぼ満席だった。新潟の方でビジネスショウとか何かあったのだろうか。おかげでうまく溶け込めたけど(笑)。←まだ言ってる。
発車してから「はくたか」の中でまとめた分の日記をアップしようとしたところ、いきなり国境の長いトンネルに。…そうだった。まだぼんやりしているようだ。350mlの缶ビールがたった1本なのに。昼間の酒、おそるべし。
おや、yuyangさんの所で「Musical Baton」についてご指名を受けていた。最近あちこちで見かけるから流行っているのかな。
しかしながら、せっかくのお誘いではあるけれど、私はたとえ遊びでもシャレでも目くじらを立てるほどでもない他愛のないものでも、チェーンメールまたはそれに類するものは大嫌いなので、申し訳ないけれどお断わりさせていただこうと思う。決して友達が5人いないからではない(笑)。
あいにく私にはsvqさんのように具体的な数字をあげて理詰めで勝負する能力がないのが情けないが、最初に感じたのは「なんかすごい数になるんじゃないか?」ということだったから。まあ、回された方は、回した人のblogは常に見ているわけだし、自分の所に書き込む分には、メールのように余計なトラフィックが増えるわけでもなさそうだけれど、内容うんぬん、ではなくて、そういう行為自体が大嫌いなのだ。「無限連鎖」の体裁である限り、もしそれが「反戦運動にご協力を!」という呼びかけだったとしても参加はしないだろう。ちなみに、一「Musical Baton」をMagical Baton」と読んでしまい、一瞬でもあらぬ何かを想像してしまったたなどという事実は、私の名誉にかけて、ありません。*1
*1 何が?