最初は修善寺の「虹の郷」に行って、季節の花々を見ようと考えていたのだけれど、入場料が1,200円もかかると知ってやめた。野っ原に咲いている花を見るのに金を出す習慣は我が家にはない。
そこで西伊豆へ寄ることにして、一番近い戸田(へだ)へ向かう。御浜岬から海越しに富士山が見えるかな、と期待していたが、あいにく霞んでいて見えなかった。
戸田の街は、開いている店は漁協の直売所だけという寂しさで、地元のおじさんに聞くと「魚は獲れるけど、みんな沼津に持ってっちゃうんでね。」とのこと。鄙びた雰囲気はなかなか素敵だったが。
戸田からは海沿いに沼津へ。山がそのままストンと海に落ちこんだような地形だから、漁師出身の老父は心ゆくまで左側に広がる海が眺められて満足そうな顔をしていたし、農家出身の老母は右手に迫る山の新緑が満喫できて幸せそうな顔をしていた。一石二鳥である。私だけはうねうねのワインディングと急なアップダウンの連続に顔をひきつらせていたのだが。
途中で寄ってみた井田は、本当に何もないので唖然としたが、老母は「クロネコヤマトってこんな所まで来るのねえ。偉いわねえ。」と別の次元からの感想を述べていた。天然はこわい。
戦前は「ぬまず食わずで沼津まで」という駄洒落があったらしい。途中、三津のあたりでミカンを買って食べたから「ぬまず食わず」とはいかなかったが。
沼津港では「魚河岸 丸天」で昼食。びっくりするほど混んでいたが、びっくりするほど新鮮で美味い魚料理がびっくりするほど安く食べられた。東京の半額ほどか。一食三驚。この辺なら当然のことなのだろうが。
こうなると他の店、「双葉寿司」や「武田丸」「千本一」、おなじみの「魚がし寿司」にも行きたい。えーと、沼津なら120kmくらいだろうから、カブで4時間か…
#行けるの!?