10月から新しく採用されたおじさんが、試用期間満了日の今日で職場を去って行った。雇用者たる爺さん先生曰く「もう少し仕事できるかと思ったんだけどねぇ…」
見たところ、それほど「仕事ができない」人でもないと思っていたのだが、そこはそれ、わずかな人数で運営していかなければならない事務所のことだから、「仕事だけしていればいい」というものでもない。仕事以外でも雑用の占めるウェイトが大きなものになる。が、このおじさん、この2ヶ月もの間、ほとんど自ら進んで雑用に加わることをしなかった。もっとも、それは私という「雑用係」というかパシリ根性一直線な野郎がいたからだろうが、では、このパシリ野郎の方の首を切ったとき、事務所の維持はどうなるのか、と爺さん先生も不安を覚えたらしい。
まあ、それは何とかなるものだ、と言うか、パシリがいなけりゃいないで残された方は自分で何とかせざるを得ないから、結果的には何とかなるとは思ったのだが。
「さすがに60歳近くにもなると頭が固くなってるのかなあ。自分の経験に頼っちゃって、新しいことを吸収しようとしないんだよねえ…」と76歳に言われるのも可哀想なものだけれど…仕事の担当範囲が重ならなかったから私には見えなかっただけで、本当に仕事のできない御仁だったのかもしれない。少なくとも、年齢、経験にかかわらず、新天地ではまず「謙虚であれ」ということになるだろうか。なまじ年齢、経験を重ねた人には難しいことなのかも知れないけれど、だからこそ要求されることなのかも知れない。自分の将来のことも鑑みて、なかなか考えさせられる出来事ではあった。
それにしても、このおじさん、よりによって今日が58歳の誕生日だったとは。
これほど痛々しい広告も見たことがなかったのだけれど…
銚子電鉄が車両の修繕にも事欠くようなところまで追い詰められていようとは、お気楽な私は恥ずかしながら全然知らなかった。そんなことでは「鉄」を名乗る資格はないね。名乗ろうとも思わないけど。
でも、すごいのは、掲示されてからわずか数日で注文フォームを閉じなければならないほど注文が殺到したらしいこと。銚子電鉄といえば、実は濡れ煎餅事業の方が鉄道事業よりも収入では上回っているので、もはや煎餅屋が余技で電車を走らせているだけなんじゃないか、という気もするくらいなのだけれど、こうして見るとやはり鉄道会社なんだな、と思う。鉄ヲタの熱いハートがビンビン伝わってくるようなエピソードじゃありませんか。オタクってのは、熱いもんだけど、漢ですよ、これは。全国の「鉄」の皆さん、偉い。