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2006-05-27-Sat [長年日記]

_ 101回目の記念日

あいにくの雨。

最近の土日は雨が降っていることが多いか、または「雨です」と予報されたから、そのつもりで昼まで寝ていて起きると晴れだったりとかで、要するにどこにも出かけていなかったりするわけで。

去年の今日は100周年ということで、比較的盛り上がっていた記念日も、今年は世間からすっかり忘れ去られたかごとくにひっそりとした感じ。

昭和の海軍は論理よりも感情、理性よりも衝動、知性よりも蛮勇を重んじたためにわざわざ自滅の道を選んだばかりか、内外ともに多くの人々を巻き込んで不幸な目に遭わせた、ある意味人間のクズ、と言ったらクズの方が怒り出しそうなくらいのクズ未満どもが軍服を着ていたような連中だったけれど、明治の海軍は、そういう点ではまだまだ理性と良識があったように思う。良い意味での「武士道」の発露というか、日本と言う遅れた三等国が国際的な信用を勝ち取った(戦争と言う行為を通じてだが)のは、明治海軍の厳格な自律精神と礼儀正しさに負うところが大きいと思っている*1

それもこれも一緒くたにして記憶の彼方へ押し流して蓋をしてしまったのが戦後の日本だが、「ひたすら卑屈に、頭を上げず、相手の強硬な主張には腰砕けで」臨むのが外交だと考えている今の日本には、「101年前にこんなすごいことをやったのですよ」という記念をこめて、独立国家としての誇りと矜持を思い起こさせる意味でも三笠艦を顕彰することから始めることすら、許されなくなっているのだろうか。

*1 日本海海戦での鮮やかな完勝が、惨勝に過ぎなかった日露戦争の実態を覆い隠すのに利用され、昭和海軍の夜郎自大化につながっていったのは皮肉としか言いようがないが。


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