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2003-07-10-Thu 土佐日記 [長年日記]

_ 剣山4号

早く寝たから早く目が覚めた。徳島9時43分発の牟岐線特急「剣山4号」に乗るのに、6時半には起床してしまったので、時間を持て余してしまって困った。

この「剣山4号」は阿波池田が始発の2両編成なので、徳島からでは座れないかも知れないな、途中まで迎えに行こうかな、とも思ったのだが、それも面倒なのでやめにした。結局は徳島で乗客が入れ換わった上に、乗車率も20%程度だったので、座るには何の苦労もなかった。

それにしてもよく停まる。「特急」とは名ばかりで、実質は快速に近い。いっそのこと格下げすれば乗車率が上がりそうな気もするのだが。

_ 阿佐海岸鉄道

牟岐から普通列車になった「剣山4号」は、11時17分海部着。6分の待ち合わせで阿佐海岸鉄道阿佐東線の甲浦行きに接続する。『VOW』にも採り上げられた海部のコンクリートむき出しトンネル*1は、もうすっかり木が生い茂って「珍景」でもなくなっていたので、写真も撮らず無視しておく。

断続するトンネルを15箇も抜けると宍喰、次に長ーいトンネルを抜けると終点の甲浦。たった2駅走って終点というミニ鉄道である。駅自体はあっけらかんとした終着駅—線路を中間駅でぶった切った—で、どうせ何もない所だろうと思っていたら、有人のちょっとした観光案内所があるので驚く。もっとも、町から離れた所にあるので、それ以外には何もない。

駅前には「甲浦八幡宮」が鎮座していて、天保2年のこま犬がいたので、一応写真に撮っておく。後で気がついたが、この写真が今回の四国旅行中に撮った唯一のものであった。

*1 山にトンネルを掘った後で、その山が跡形もなく切り崩されてしまった所。

_ 高知東部交通

甲浦からは高知東部交通のバスで奈半利へ向かう。甲浦の案内所のおばちゃんが「よく2〜3分遅れて来るんや。」と言うが、奈半利での乗り継ぎは11分あるから、9分遅れまでなら大丈夫だ。10分遅れでも走ればなんとかなるだろう。甲浦からの乗客は5人。

バスは国道55号線を快走する。海岸沿いの道路だから右に左に振られるのを期待して最後尾の座席に陣取ったのだが、それよりも路面状態がひどくて右に左に上に下に前に後に揺すられまくる。昼飯に徳島で買っておいたサンドイッチも食べるどころの騒ぎではない。揺られ揺すられ続けてヘトヘトになって奈半利に着いた。

_ 室戸岬

別に観光をしに来たわけではないし、もともとが観光地好きではないから、室戸岬をただ通り過ぎても平気なものである。中岡慎太郎の像を見たところで、別にファンでもないから感銘は受けない。国道のすぐ脇に立っていたとは意外だったけれど。排気ガスが煙たかろうと思って。

バスはしばしば国道から外れ、古い町へ入って行く。「こういう町には古い神社があって、こま犬も期待できそうだなあ。」と思っていると、案の定そうだったりするから悔しい。こういう時だけは途中下車できないのがもどかしい。

_ 土佐くろしお鉄道 ごめん・なはり線

昔の「阿佐西線」は、「阿佐東線」と結婚して「阿佐線」になるはずだったのが、工事凍結で危うく水子にされるところだった。それを救ったのが、高知県が出資する第三セクターの「土佐くろしお鉄道」で、去年めでたく「ごめん・なはり線」として誕生した。こういうのも"代理母"というのだろうか、うーむ。

それはともかく、婚約は破談になってしまったけれど、全線高架・やなせたかしのオリジナルマスコット付きとなかなかゴージャスな美人に生まれている。沿線住民はそうでもないのだが。←って、こらこら。

_ 運が良いとか悪いとか

…自分を見ててそう思う(苦笑)。

奈半利発14時02分の列車は高知まで乗り入れの快速で、JR四国の車両だった。形式など知らないが「1035」と書いてあったような気がする。乗車率はかなり高い。かろうじて空いている席を見つけて座ったが、これがなんとトイレの正面。もしかしたら、トイレ待ちをする人が座るために空けておくべき席だったのかも知れない。

トイレもボタン式の自動ドアなのはいいが、操作がわかりにくいためか、人が入って閉じたかと思うとまたすぐ開く。綺麗だが、それでも多少は臭うので、おかげで昼に食べられなかったサンドイッチがまたしても食べられなかった。車窓風景も左側はそのトイレが邪魔な上に、右側は壁(柱)だったのでロクに見られなかった。そういうこともたまにはある。

_ 土佐電気鉄道

略して「とでん」だって。今どき路面電車を走らせているなんて、てっきり「高知市電」かと思っていたのだが、そうではなかったらしい。そう言えば、路面電車については、東日本は自治体が運営している所が多いが、西日本は私鉄の経営が多いようだ。これも地域差だろうか。

そんなことはともかくとして「とでん」に乗り込む。「高知駅前」から「はりまや橋」、いったん宿に荷物を置き、「はりまや橋」から「後免町」へ行き、折り返して「鏡川橋」、乗り継いで「伊野」、引き返して再び「はりまや橋」で乗り換えて「桟橋通5丁目」まで往復、しようと思ったら、1つ手前の「岸壁通」で無理矢理降ろされたので、50メートルほど歩いて「桟橋通5丁目」から乗って三たび「はりまや橋」で降りた時には、アタシもずいぶんくたびれた。全線乗るのに3時間半もかかったもんなあ。

_ うな泰

高知で泊まった宿(←場末)のすぐ近くにある店。実は隠れた名店らしくて、読めただけでも「谷啓」「さだまさし」「有馬稲子」「王貞治」(ダイエー監督)「小久保裕紀」らのサインがあった。王さん、色紙にダイエーのロゴが印刷されていたけど、ふだん持ち歩いてるの!?

今回は節約旅行なので、うなぎの蒲焼とカツオのたたきがセットになった定食で我慢する。が、うなぎがあの「坂東太郎」というのはどうよ?(笑)

「なんでやねーん!」とツッコむ勇気もなかったけれど、意外な所で意外な名前に出会うものである。


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