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LAZY HEAD Classic

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2005-07-10-Sun とえんてぃーふぉー [長年日記]

_ 名古屋はええよええか?ええのんか!?

今日はyoppee!のクルマで久しぶりに名古屋へ行く。目的はいろいろあるらしい。同行を申し出た私に気を遣って「どこか行きたい所はある?」と聞いてくれるが、私は名古屋についてはまったく無知なので、行きたい所は特にない、と言うか、わからない。適当に2、3注文をつけてはみたが、ほとんどおまかせである。

さて、どうなりますやら。

_ 第1話 01:00〜02:00

正確には00:45に家を出て、集結地点である徒歩3分ほどのコンビニへ。買い物をしている間に、出発の5分前にはyoppee!も着くだろう、と見込んでいたが、珍しく1分遅れでの到着だった。01:02に出発。

小金井街道から東八道路、鎌倉街道などを使い、R129を経てR246へ。夜中だが交通量は多い。車内では相変わらずの馬鹿話に花を咲かせるが、R129を走行中、路傍を見たyoppee!が、ちょっとした疑問を投げかけてきた。

y:「あれさー、ガソリンスタンドに『ミニセルフ』って書いた店があるけど、『ミニ』ってなんだ?」

r:「店員の代わりに『小人さん』がやってくれるのかなあ…」

y:「なんでやねん!」

…ご存じの方はぜひ教えてください。

_ 第2話 02:00〜03:00

R246も足柄の山の中に入ると交通量も減り、いよいよyoppee!が本領を発揮する。

y:「悪い、ちとトイレ。」

いささか気勢をそがれながらも、山北の街はずれにあるコンビニでトイレ休憩したら、入り口のドアに妙な貼り紙がしてあった。

「エピソソード3 ボイスチェンジャー あなたの声がダーズベダーに早変わり(以下省略)」

うーむ、写真を撮ってくればよかった。

y:「『VOWネタ』かあ。好きだなあ。それにしても『エピソソード』って、どんな剣だよ。」

r:「ライトセイバーにガソリンを入れるのでないことは確かだな。」

y:「『ミニセルフ』で入れたりして。」

_ 第3話 03:00〜04:00

R246では結構なスピードで走っている。

y:「え、そうかな?カブでもいつもこのくらいで走ってるよ。」

r:「あんた、すごいわ。」

今日は日曜日だからだろうか、ダンプの姿はあまり見かけなかったが、平日に休暇の多いyoppee!は、深夜から早朝にかけての時間帯に、ダンプや大型トレーラーに互してカブで走っているのである。考えただけでもゾッとする。

r:「俺には真似できないよ。昼間の方がまだいいや。」

y:「そうか?この時間の方が走りやすいけどなあ。」

御殿場市街を駆け抜け、裾野の長い坂を下り、関東自動車工業の工場を眺める。近い将来、yuyang氏がここに来ることになる。

「遠くなっちゃうね…」

おたがい胸に去来するものがあるので、この工場を見るたびに、会話は一瞬途切れるのだった。

三島でR1に入る。

y:「富士山は見えないか。」

懸念されていた雨にはほとんど降られずにすんでいたが、空は曇っていて、富士山は裾野の稜線がかろうじて見える程度だった。まあ、天気予報では東海地方は累計で150ミリの大雨が降る、と言っていたから覚悟していたのだが、曇っていても降らない分だけありがたい。

_ 第4話 04:00〜05:00

「道の駅 富士」で小休止。ここで乗務を交替し、以後しばらくの間は私がハンドルを握ることになった。

空がだんだん明るくなってきているのがわかる。この時間にハンドルを握るのだから、つい「♪陽がのーぼる 空が燃ーえる 世界がー広がるー 元気で行こう 元気に行こう 夜明けーのー仲間たちー」と口ずさんでしまうのだが、

r:「TBSの『歌うヘッドライト』が、ずいぶん前だけど終わっちゃって。」

y:「あの番組、終わっちゃったのか。それは残念だなあ。」

r:「で、今は文化放送の『走れ!歌謡曲』だけになっちゃったんだけど、静岡放送では4時までしかネットしてないんだよねー。」

y:「…早く寝れ。」

_ 第5話 05:00〜06:00

静岡県内のR1には、5ヶ所の有料バイパスがある。東から順に「静清」「藤枝」「掛川」「磐田」「浜名」である。夜間は無料になるから6時までに浜名バイパスの料金所を通過すれば大成功なのだが、慣れないクルマなので少々おぼつかなくなってきた。それでもなんとか磐田バイパスまでクリアして、浜松市内に入ることはできた。ここで目を覚ましたyoppee!と乗務交替。

結果から言えば、yoppee!の回復運転のおかげで浜名バイパスの料金所はギリギリ5:58に通過することができたのだが、

y:「あれ?料金表の所に×印がしてあるなあ。」

r:「え?あれって、夜間だけ貼っておいて、朝になったら係員がはがして回るんじゃないの?」

y:「馬鹿を言いなさんな。バイパスは無料になったのかな?」

r:「そう言えば、途中のバイパスも『有料道路終点』の標識に×印がしてあったけど。」

よく見ると、料金所には「3月22日から無料解放されます。」という意味の貼り紙がしてあった。なんだ、そうだったのか。

バイパスの無料化で今後の作戦行動の幅が広がるかどうか、検討してみなければならんな。カブなら20円だったんだけど(笑)。

_ 第6話 06:00〜07:00

乗務を交替してからは眠っていたので、この間のことは知りません。

_ 第7話 07:00〜08:00

今回、高速道路を使わずにずっと下道で来たのは、割り勘を旨とする我々のツアーにおいて*1、主として私の予算不足が原因である。

それでも夜通し走り続けて、朝7時半前には知立の駅前に到着した。昔は池鯉鮒と書かれた東海道の宿駅で、街のそこかしこに往時の風情が残っていないこともない。

yoppee!はどこでどう調べてきたものか*2、知立の駅前で「1時間150円、1日1,000円」という複雑怪奇な料金体系のパーキングにクルマを停めた。今日はあちこち動き回るので、クルマよりも鉄道で移動した方が確実かつ安上がり、という判断による。

名鉄をはじめ名古屋周辺の鉄道に乗れるのであれば、もちろん私に否やはない。知立の駅で買った名鉄の「まる乗り1DAYフリーきっぷ」3,000円也を握りしめて、さあ、出発だ。

あれ?改札口の前に何が書いてあるぞ。なになに。

「空港線は自動車による事故のため、太田川?中部国際空港の間で運転を中止しております。」

…おい。

*1 実際にはyoppee!に相当おごってもらっているのだが。

*2 現地調査だったらしい。

_ 第8話 08:00〜09:00

知立発7:29の名鉄快速特急で新岐阜へ向かう。あ、今は「名鉄岐阜」に名前が変わったのか。同様に新名古屋も「名鉄名古屋」に変わっていたけど、それはそれとして。

名鉄岐阜には8:17に到着。閉店間近い「新岐阜百貨店」を眺めてから駅にほど近い喫茶店「紙芝居」でモーニング。ここに初めて来たのは、もう2年前のことになるのか。

消費税法の改正に伴う価格表示の変更が面倒臭かったのかどうだか、コーヒーが350円(税込)になっていたのは、実質的な値下げと言えるだろう。モーニングセットはトースト(縦に3分の1)、コールスロー、ショートパスタ(カレー味)、丸い卵焼きかと思ったら実は明石焼き*1、茶碗蒸し(定番!)だった。

*1 上にケチャップかかってるんだもん。

_ 第9話 09:00〜10:00

朝食後は廃止された名鉄岐阜市内線を偲んで、徹明町電停跡を訪れた。歩道の上から指をさして、yoppee!が、

「そこの道路の上に緑色のゾーンがあるだろ、あれが徹明町電停だったんだけど、」

と説明してくれる。

r:「『安全地帯』か。」

y:「いや、それがそうじゃないんだ。だから危ないから、乗る人はみんなこっち(歩道)で待ってて、電車が来たらツツツと道路を渡ってって乗ったんだ。現に俺の友達もあそこで待ってたら、地元のおばちゃんから『危ないでしょ!こっちいらっしゃい!』って言われたんだってさ。」

あちこちの都市で「環境にやさしく、バリアフリーも可能な路面電車をもっと見直そう」という動きがある、という話はよく聞くが、実現した所はまだ一つもない。それどころか、こうしてクルマに邪魔者扱いされて廃止された路線が現に目の前にある。クルマには日頃お世話になっているから悪口は言えないけれど、クルマばかりを大事にせず、路面電車も共存させる方法は何かなかったのだろうか、と思う。

岐阜駅までぶらぶら戻りながら、「金(こがね)神社」に寄る。私は旅先では地元の有力神社に参拝し、土地神様にご挨拶と道中の無事を祈ることにしている。決してこま犬が目当てだったわけでは、断じてない(笑)。*1

y:「同じ建物にお稲荷さんもあるんだね。珍しいね。」

神社には関心の薄いyoppee!がそう言ったのは、なんとかして話を合わせてくれたのだろう。一つの拝殿に二つないし三つの向拝を持つ神社はたまにあるが、私も祭神そのものには関心が薄いので、ロクな返事ができなかった。たまたまお稲荷さんだっただけなのだろうか。それにしても「金(こがね)」と「商売繁盛」とは、なかなか縁起の良い神社ではある。

*1 ちなみに、ブロンズの立派なこま犬が鎮座していたが、デザイン的には普通だったので撮影は省略。

_ 第10話 10:00〜11:00

名鉄岐阜駅に戻ると、空港線の運転が再開されていた。岐阜発9:53の快速特急で神宮前まで行き、10:24着。あいにく始発の空港行きはなかった*1ので、10:38発の快速特急まで待っていたら、やって来たのは名鉄の誇る最新鋭特急型車両、通称「ミュースカイ」こと2000系であった。全車特別車の全席指定だが、座りさえしなければ「まる乗り1DAYフリーきっぷ」を使って乗ることができる。もし空席があれば座ってもいいのかもしれない。

車内は満席だったので、デッキに立って行くことにした。ただ、ドア窓が大きいので外を眺めるにも具合がいい。が、2000系は車両限界ギリギリまで大きく作られているせいか、建築限界ギリギリまでせり出した民家の軒先をかすめていくのは迫力があった、と言うより怖かった。あの江ノ電だって民家の脇を縫うように走っているが、あちらはせいぜい30km/hくらいなものだろう。こちらは最大120km/h出る。減速しても80km/hは出ているだろう。すごい所にすごいモノを走らせたものだ。

*1 始発は金山が多いことが後で判明。

_ 第11話 11:00〜12:00

11:00ちょうど、事故の影響などなかったかのように、定刻通り中部国際空港駅に到着。最新の設計だから、空港ビルのロビーまで階段はない。

r:「あれま!新千歳空港より大きいんでないかい?」

開業人気もあるだろうが、人が多くて賑わっている。それに国際空港だから、地元の自治体が期待をかけるのもよくわかる。期待するあまり、「南セントレア市」にしようなどと血迷った気持ちも理解できるような気がした。賛成はしなかっただろうが。

さて、なぜわざわざ中部国際空港などへ行ったかと言うと、これはyoppee!の用事であった。空港内でしか売っていないレアグッズを求めての行脚だったが、何をどうしてどうやったのかは、差し障りがあるのでここには書けない。首尾よく手に入れた、と結論だけ書いておこう。でないと、また多くの人に余計な迷惑をかける奴が現れかねないからね(笑)。*1

11:58発の特急豊橋行きで、もう二度と来ることのなさそうな中部国際空港を後にした。

*1 うーん、方法を公開しておいた方が、逆に迷惑をかける相手の人数が少なくて済むのかな…いや、迷惑をかけに来る側の人数がそれ以上に増えるから、やめておこう。

_ 第12話 12:00〜13:00

神宮前で乗り換えて、名鉄名古屋着12:37。以前、豊橋から新岐阜まで名古屋鉄道本線を乗り通した時にはまったく気づかなかったが、今回、支線にも乗ってみたら、名鉄ダイヤの無茶苦茶さが初めてわかった。快速特急から普通まで、多彩な種別と多様な行き先の列車が、ほぼたったの2分間隔で走っているのである。立地条件は違えど、過密とされる関東の私鉄をも上回っているように見える。これはまさに「神技」と言っていい、と思った。

感動したので、名古屋の地下で『名鉄時刻表』を購入。よし、今夜はこいつを抱きしめて寝よう。(ぉぃ)

_ 第13話 13:00〜14:00

名古屋駅からは地下鉄で2駅乗って栄に出る。

r:「『とりあえず、栄で1億使っちゃおうぜ!』でおなじみの、あの『栄』ですな?」

y:「『名古屋嬢っ!』か、お前は。」

r:「そー言えばさあ、『ゆるやかな縦巻き』って、あんまりいないねえ。夏は暑いのかなあ。」

y:「今まで行った所にはいなかっただけだよ。」

r:「あとさあ、岐阜の街にはどうして美人が1人も」

y:「コラーッ!」

そんなことを話しながら歩いているうちに、yoppee!推奨の鰻料理店「以ば昇」*1に着いた。ちょうど昼どきで店内はずいぶん込んでいたが、たまたま2つ空いていた小上がりの1つを占めることができた。直後に中年男女が最後の席に座った頃から客がまた増えはじめ、短いながらも行列ができはじめた。

y:「ちょうどいい時に来れたなあ。」

r:「ラッキーだよ。こんな蒸し暑いのに、外で並びたくないもん。」

この店は櫃まぶしが美味いらしいので、yoppee!の真似をして「上櫃まぶし」を注文。詳しい論評はyoppee!がmixiに書いているので、そちらに譲ろう。

味は申し分ないと思ったが、お隣の席のオバサン女性が我々の膳を見て「あら、なんだか小さいわね。」と言っていたのはちゃんと聞こえてましたからっ!

まあ、量はその通りで、あとは薬味が長葱とわさびしかなかったのが寂しかったかな。

*1 「いばしょう」と読む。

_ 第14話 14:00〜15:00

食い終わったらさっさと出る。これは待っている人たちへの気遣い。お会計をしているyoppee!を待つ間のわずかな時間でも暑かったけど。空は曇りがちかと思っていたら、太陽が顔をのぞかせていた。我々は知立からはるばる長傘をたずさえて来ている。

r:「なんだ、こんなことなら、傘いらなかったね。」

y:「日傘にでもするかね?」

yoppee!が栄に来たら必ず寄るという、ほとんど御用達状態のスーパー「ダイエー栄店」に入る。私はここで寿がき屋の「味噌煮込みうどん(カップ)」と、日清「チキンラーメン」5食入り1袋を買った。

y:「…なんでそんなモン買ったん?」

r:「ウチの近所、どこでも312円でさあ。ここは248円だから、つい。」

おうよ、笑わば笑え、てやんでい。

_ 第15話 15:00〜16:00

栄からはまた地下鉄東山線に乗り、今度は終点の藤が丘まで行く。寝不足と食後なので、車内ではひたすら爆睡。

藤が丘からはお待ちかね、リニモに乗るのである。もちろん、「愛知・窮迫」には行かない。

実は、お恥ずかしい話なのだが、私はリニモを「万博開催期間中だけの仮設線路」だと思っていた。よく考えればリニアモーターカーなどという高価な施設を半年やそこら使ったくらいで撤去するなどありえない話なのだが、頭の中では扱いが「万博のアトラクションの1つ」だったので、適当な地べたに簡単な路線を敷いただけの、おもちゃみたいな鉄道を想像していたのだった。だから、事前には何の情報も仕入れていなかったのだが、いやしくも「鉄道」とあれば乗らないわけにはいかない。そこで、yoppee!に「名古屋へ行くならリニモに乗りたい。」などと言って余計な手間をかけさせてしまったのだった。

始発駅の藤が丘についてみると、切符は窓口売り、駅はいかにも仮設っぽいので「なるほどなー」と思ったのだが、実はそれは仮の姿、長い通路を通って核シェルターかと思うくらい地下深くまで下りてみたら、本格的な駅ができていた。

y:「何言ってんだよ、リニモは万博が終わっても、地域交通の足として使われるんだよ。」

ちょうど発車時刻が迫っていたので適当な席がなく、最後部の座席に後向きに座った。なんだか「ゆりかもめ」を大型化したような感じである。14:47発車。

軌道は地下から、普通の鉄道ではありえない急曲線と急勾配で次の「はなみずき通」駅の手前で地上に躍り出ると、そのまま高架線で走っていく。「展望席」の功徳で、走ってきた軌道がよく見える。これは「おもちゃの鉄道」なんかではない。立派な新都市交通システムである。乗った感じは「これ、本当に浮いてるの?」だったが。*1

終点の万博八草で愛知環状鉄道に乗り継いで高蔵寺を目指す。愛知環状鉄道・愛称「愛環」はJRから切り離された第三セクター鉄道だが、万博期間中はJR東海から名古屋発中央本線経由の直通列車「エキスポシャトル」が入ってくるらしい。それも10連という立派なのが。「日陰の子」だった愛環も、一世一代の晴れがましい思いをしていることだろう。

高蔵寺からはバスに乗る。駅前のロータリーに停まっているバスは、一見何の変哲もない普通のバスだが、このバスこそが「名古屋ガイドウェイバス」またの名を「ゆとりーとライン」と称する新交通システムに変身するバスなのであった。簡単に言えば、「ゆりかもめ」みたいな専用軌道の上をわずかな改造を施した路線バスが走るという、最も安上がりな仕掛けのものである。が、この「専用軌道」は軌道法の適用を受ける、れっきとした「鉄道」である。法規上は「全線複線、非電化、側方案内軌条式」の鉄道で、したがって、その上を走るバスも内燃機関を動力とする「鉄道車両」とみなされる。これが乗らずにおられよか。

r:「お、一番後ろの右側の席が空いてるぞ。」

y:「いいねえ、そこに座ろうか。」

r:「なんでやねん。」

バカなことを言い合っている間に15:35発車。

高蔵寺から小幡緑地までは一般道を走り、小幡緑地から大曽根までが専用軌道の「鉄道」区間となる。駐車場のような広場の片隅にエントランスがあり、案内輪を出したバスはそろそろと進入して案内軌条にはめ込む。「変身」の瞬間である。

r:「あれ?『デュアルオーロラウェイブ!』って言わなかったよ。」

y:「?」

r:「いや、『テクマクマヤコン』でもいいんだけど。」

y:「・・・」

専用軌道上では案内輪を案内軌条で文字通りガイドされながら走るので、運転手さんはハンドル操作の必要がない。携帯電話をかけることも、背中のかゆい所を存分に掻くことも、「エキストリーム・ルミナリオ」の練習だってしていられるのである。(ネタはもういいっちゅーねん)

*1 本来ならばここまでが第14話のネタだった。間違えた(笑)。

_ 第16話 16:00〜17:00

r:「大曽根って、ローマ字で書くと"Ozone"なんだねー。"O3"って書いたりしないのかな。」

y:「…それで?」

r:「いや、別に…」

大曽根からは地下鉄名城線に乗り、名城公園で下車。地上に出て歩いた。そう言えば、名古屋城に入ったのは初めてだ。天守閣を見上げると、降ろされていた金のシャチホコが返されてきて、取り付け工事中である。まだ真の姿は見られなかったが、やはり名古屋城はシャチホコがのっかっていないと、なんとなくしまらない。

yoppee!が「おう、裸のデブ見に行こうぜ。」と言うので何のことかと思ったら、今日から大相撲名古屋場所が始まるのだった。城内の愛知県立体育館でまさに取組が行なわれている、その前を通りすぎる。さすがに外に裸のデブはいなかったが、浴衣のデブは何人かいた。

y:「お前、そんなこと言ってると張り倒されるぞ。」

r:「あんただって新弟子検査みたいな体型して。」

相撲とはそもそも体の並はずれて大きな「異形の者」が力競べを行なう神事であったとされる。「異形の者」の持つ力で魔を祓い、調伏することが期待された。だから「力士」なのだが、そんな歴史はさておいても、現代の鍛えられたお相撲さんは単なる裸のデブではない。間近で見て、格好いいなと思った。

それにしても暑い。名城公園で降りずに市役所前まで乗っていれば、こんなに歩かずにすんだのだが、降りて歩いてしまったものはしかたがない。名城公園、二の丸、三の丸と都合2キロほど歩いて、本町橋までやってきた。

_ 第17話 17:00〜18:00

本町橋とは、その昔、名鉄瀬戸線(外壕線)がアンダークロスしていた所で、旧瀬戸線は複線だったのに本町橋下のトンネルは単線の幅しかないので、「ガントレットポイント」と称する特殊な軌道の敷き方で通過していた「鉄道名所」の一つであったという。yoppee!はその跡を見たくてはるばるやってきたのだった。が、廃線以来29年、線路跡はもともと空壕だったから、今や緑で覆いつくされていて、何も見えなかった。

r:「冬なら少しはいいんじゃないかなあ。」

そう言ってyoppee!の方を見ると、うなずきながら心中秘かに何事かを期している様子。って、また来るのは決定だな。

ここからは、ほど近い丸の内駅まで歩くことにして、駅前の「コメダ珈琲店」で休憩。アイスコーヒーで生き返る。

_ 第18話 18:00〜19:00

「コメダ珈琲店」を出ると、目の前に地下鉄丸の内駅の入口があるのに、yoppee!は逆方向、市内中心部の方へ歩きだした。

r:「あれ?違うの?」

y:「いや、そこから入っても延々と歩かされるんだ。」

なるほど、やはり名古屋のことはまかせておくべきなのだな。

約3分後、250メートルほど歩いて次の入口から地下に入る。そこから桜通線の改札口まではさらに200メートル以上ある。東京ではこのくらいの規模の地下鉄駅は珍しくないが…

r:「なんで名古屋の分際で、こんなに駅が広いんだ?」

y:「さあ…?」

せっかくクールダウンした体がまたヒートアップしてきたではないか。

y:「うーん、やっぱり『コンパル』のコーヒーが飲みたい。」

というわけで、2駅揺られて名古屋駅へ戻り、地下街の喫茶店「コンパル」に入った。

y:「ここのコーヒーはでらうみゃーがね。」

テーブルの上には「おいしいアイスコーヒーの飲み方」という説明書が、ごていねいにも置いてある。熱いコーヒーを、氷の入ったグラスに一気に注ぐと良いのだそうで、コーヒーも薄まるのを見越してあらかじめ濃く作ってある、という意味のことが書いてあった。まあ、親切なのはよいことだ。うまいアイスコーヒーで再びクールダウン。

y:「ここのエビフリャーサンドもまたうみゃーがね。」

r:「あ、晩飯はどうしようか。」

yoppee!の視線は向かいにある「ライオン」の「あんかけスパゲッティ」に釘づけになっているが…

r:「俺は軽いものでいいや。」

y:「なら、駅できしめんだな。」

店を出ていったん地上に上がり、JR名古屋駅構内の土産物屋(でも「キヨスク」)でお土産物を買い込んだ。人がやたらと多くて激込みだったが、この時間なら東京や大阪に帰る観光客だろう。名古屋で大きなイベントなんか、何かやってたかなー?

_ 第19話 19:00〜20:00

名鉄名古屋駅4番ホームにある立ち食いのきしめん屋に行くと、yoppee!の目が点になる。小汚かった店が大きくきれいに改装されたまではよかったが、店頭には「さぬきうどん」の看板が掲げられていた。

r、y:「なんでやねん!」

幸い、きしめんも残っていた(当たり前だ*1)から食べることができたけれど、yoppee!は好物の「どて丼」がなくなったことを最後まで口惜しがっていた。

19:04発の特急豊橋行きに乗り、知立へ帰る。車内は買い物帰り、遊び帰りの乗客でちょっとしたラッシュだ。でも、なんだかセクシーなおねーちゃんが多いなあ。都会だけあって、顔立ちのきれいな子も多い。それにひきかえ、朝の岐

y:「貴様ッ!まだ言うかッ!」

19:25知立着。これでまる1日つきあってくれた「まる乗り1DAYフリーきっぷ」ともお別れだ。もちろん、回収はされないから、いい記念として手元に残しておける。

y:「なあ、ところで、この切符についてきた『総括表』って、これ何だ?」

r:「『印旛沼リンチ』のことか?」

y:「その『総括』じゃなーい!」*2

*1 それにしても、あれだけ「郷土の誇り」に固執する名古屋人が、と思うと、奇異な感じは否めない。

*2 「総括表」には金額や注意文言が書いてある。JRにおける企画券等の「表紙」と「ご注意」を合わせたような物だと思われる。

_ 第20話 20:00〜21:00

r:「ここからは、どうやって帰るの?」

y:「高速。」

というわけで、岡崎I.C.から東名高速に乗った。私はすっかり勘違いしていたのだが、知立は名古屋と豊橋の中間よりもかなり名古屋寄りにある。豊川バリアまでがなんだかやたらと遠かった。しかし、これでまたしばらく名古屋ともお別れだな。

r:「あーあ、『名古屋嬢』な女の子、あんまりいなかったねえ。一度本物を見てみたかったんだけど。」

y:「そうだね。」

r:「その代わり、ってわけでもないけど、なんだか女の子達、やたらと胸を強調してたね。」

y:「そうだね。」

r:「『ゆるやかな縦巻き』の次のブームは『巨乳』かいな。」

y:「まあ、俺は巨乳はあんまり好きじゃないけどな。」

r:「そう、何入れてんだか知んないけどさ、すっごく不自然な娘ばっかりでね。ああいうのは良くないね。」

y:「良くないね。」

…PTAか?俺らは。

女性の心理などわからないが、デカけりゃいい、ってものでもないのだ。ということだけ言っておきたい。

_ 第21話 21:00〜22:00

運転はyoppee!にまかせきりで、私は助手席で寝たり起きたり。幸い車内は禁煙なので、この時のような失敗はしなくてすんでいる。

yoppee!のお気に入りは「ICE」だったり「鈴木桃子」だったり。あとは80年代頃のアイドルポップが少々。それをとっかえひっかえ聴いている。

r:「あー、『デミトリーフロムパリス』聴きたいなあ。」

y:「悪ぃ、ない。」

r:「そーいや、『デミトリー…』がなんだか『ネコミミモード』とかいう曲を出して、それがアニヲタの間で評判だ、とかって言ってたなー。」

y:「なんだ、そりゃ?」

r:「知らん。まさか『ラブラブモード』って言ってる所を『ネコミミモード』に変えただけじゃないとは思うんだが。」

y:「『だいじょーぶでーす』か。って、お前が大丈夫か!>デミ」

r:「お、『ウルトラマンレオ』かあ。この歌、めっちゃくちゃ好きなんだよなあ。」

y:「真夏竜だぞ。」

r:「これさあ、『♪うーちゅうーにきーらーめーくーエメラルドー(エメラルドー)』の所、カラオケで裏声使って1人でやるよね。」

y:「やらん!つーか、俺、裏声出ないんだ。」

r:「…だいじょうぶでーす。」

_ 第22話 22:00〜23:00

道路上の電光掲示板には「御殿場−大井松田 事故渋滞2km」などと表示されている。カーナビのVICS情報も赤色で渋滞が表示されている。これでまた帰りが遅くなるのだろうか。

駒門P.A.で乗務交替。覚悟して渋滞に突っ込む。3車線を1車線に規制しているが、とりあえず通行止めにはなっていないから、あまり大きな事故ではないのかな、と思う。

渋滞も実際には大したこともなく、たぶん1kmくらいで抜けられたと思うが、事故現場を見て唖然。「上の崖から落ちてきたのか?」と思ったほどの壊れ方をした白い乗用車が、腹を天に向けてひっくり返っていた。くわばら、くわばら。私も今は他人様のクルマを預かる身、気をつけなければ。無謀な運転はしないようにしよう。だいたい俺は3ナンバーは嫌いなんだ。どいつもこいつも自分勝手な運転をしやがって。会社じゃなんぼの地位にいるか知らないが、それが俺と関係あるか?デカい図体で狭い道に入ってくるだけでも頭の中身を疑うのに、相手がカブでも道を譲られたら挨拶くらいするのが「人の道」だろ、コラ。クルマがデカいからって、別にあんたに優先権があるわけじゃないぞ。目の前に自転車がいたら、障害物のある方が止まるんだよ。

うー、考えただけでも腹立ってきた。アクセルを踏み込む足にもついつい力が入る。って、あ、あれ?(笑)

_ 第23話 23:00〜24:00

「横浜青葉I.C.」で東名を降り、目を覚ましたyoppee!とはどこかコンビニで交替しようと思ったが、カーナビの地図では進路上にコンビニの記号がない。この先の一般道をこのデカいクルマで走りきる自信はないので、信号待ちをする間に替わってもらった。

r:「いやー、やっぱ難しいわ、このクルマ。ちょっと踏むとグンッて行くし、ちょっとかけるとガンッて止まるし。」

y:「まあ、じゃじゃ馬だからね。」

そう言いながらもyoppee!は、「よみうりランド」脇の峠をいとも易々と登って下りてみせた。

_ 第24話 24:00〜25:00

要は慣れの問題だと思うが、

r:「俺、この坂嫌い。」

y:「なんで?」

r:「路面に縦に溝が切ってあんじゃんか、カブだと」

y:「安定しないんだよね。」

と言いつつ、yoppee!が神奈川方面へ出撃するときは、いつもこの道を通っているのを私は知っている。慣れだけではなく、操作能力の他にセンスが必要なのかもしれない。また、障害があれば、全力でその障害を克服して目的を達成するタイプなんだろうな、と思う。私は目的を達成するためには全力を尽くして障害を回避するタイプなのだが(笑)。そんなことを考えてみた。

24:40、我が家に到着。お疲れさまでした。私はここが終点だが、yoppee!はこれからさらに1時間あまりかけて帰らなければならない。今日はありがとう。無事で帰れますように。

さて、「24時間」までにはあとまだ5分ある。そこで、近所のコンビニ(スタート地点とは別の場所)へ行き、買い物をして帰ってきた所でちょうど24:45になった。 完


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