今日は晴れたし、たまには東京西郊へでも行ってみようかと、カブで青梅方面へ。
実は吉野の吉川英治記念館を「奇襲」してみようと思いついたのだが、本当に単なる思いつきだったのと、過去の経験をまったく無視したずさんな見込みのせいで予想外に時間がかかってしまった。東青梅のあたりに来たときには、すでに15時半を回っている。勝負は終わった。
というわけで、あえなく撤退。途中のユニクロ青梅今寺店で買い物をして帰った。(なぜ?)
何事も計画的にやらなければならんのう。本人は「転んでもタダでは起きない」つもりで買い物をして帰ったわけだが、傍から見れば「なんで青梅のユニクロまで行って買い物せにゃならんのか」ということになるからねえ。
帰り道、SKA氏からのお誘いが入電。久しぶりに飲みに行くことになった。
2人の住居から、場所はたいがい最大公約数でひばりケ丘になる。長年通っている飲み屋さんもある。
長年通っているとは言うものの、そうしょっちゅう行っているわけではないし、yoppee!が引っ越してしまってからはますます行かなくなったから、一度行くと次まで間が空く。入れたボトルもなかなか減らないのである。
さて、とりあえずビールで乾杯してから、マスターにボトルを出してくれるように頼む。普通の店だったら数か月で処分されてしまうと思うのだが、このお店はなぜだかいつまででもとっておいてくれる。過去2回ほどそういうことがあったので味をしめている。お店にとっては迷惑きわまりない客だろうが。
案の定、かなり深い所にしまいこんであったらしく、捜索に時間がかかった。マスター、忙しいのに申し訳ない。おかげでちゃんと酒の匂いはしていたから、酢にはならなくてすんでいたようだ。
ボトルは7本目なので「七生報国」とナンバリングをしておいた。SKA氏が何気なく問う。
「で、『七生報国』って何だ?」
「まあ、七たび戦死しても七たび生まれ変わって敵を滅ぼす、という意味らしいよ。戦争中に使われてた言葉なんだけど。」
「ふーん。」
もちろん、出典は『太平記』、南朝の忠臣、楠木正成の言葉であるとされる*1。一応、ナンバーにひっかけて使ってはみたものの、実はあまり好きな言葉ではない。この言葉を字面通りに解釈するのは危険だと認識しておかなければならない。
ところで、8本目はどうしようかなあ。「はっぱふみふみ」かな、やっぱり。
*1 正しくは弟の楠木正季の言葉。
では、「七生報国」のくだりを(勝手に抜粋)。
正成座上に居つつ、舎弟の正季に向つて、「そもそも最後の一念に依つて、善悪の生を引くといへり。九界の間に何か御辺の願ひなる」と問ひければ、正季からからとうち笑うて、「七生までただ同じ人間に生れて、朝敵を滅ぼさばやとこそ存じ候へ」と申しければ、正成よに嬉しげなる気色にて、「罪業深き悪念なれども、われもかように思ふなり。いざさらば同じく生を替えてこの本懐を達せん」と契つて、兄弟ともに差し違へて、同じ枕に臥しにけり。
要するに、戦時中唱えられていたような意味ではなかった、ということだけは理解しておきたい。
48,716.0粁。